これまでの主なアート展

■イタリアのトスカーナ地方にある海辺の町カラーラ市は、ミケランジェロが工房を構えていた芸術の町として知られている。古い教会を中心に中世の建物がいたるところのあり、ゆったりとした時間が流れている。

　町の背後に広がる山々は、今も良質の白亜の大理石を産出し、削り取られた山肌は夏でも雪山のように白く輝いている。

　そんな美しい町でフェースofワンダーの作品展『XPRESSION』をやった。

　コーディネートしてくれたのは、カラーラに工房をもち世界的に活躍する彫刻家中村真木さんのご尽力による。

　町一番の美術館のような立派な財団のギャラリーを提供していただき、町中の様々な店舗にもポスターを貼り、現地新聞でも数社が記事にしてくれるなど破格の受け入れをしてただいた。

　特に感激したのは、現地の障がい者支援施設の仲間たちとカラーラ在住のアーティストが一緒になって、アートワークショップをやったことだ。こうした試みは現地では初めてのことだったようで、様々な障がいや国籍の人たちが活動を楽しんだ。

　特に山から拾ってきた木枝に雑巾をくくりつけて作ったぼう筆を使って、床に広げた大きな紙に線や色彩を描いていく活動は、互いに動きを助け合ったり、声を掛け合ったりして。見えない垣根を超えていく時間を持つことができた。

　カラーラ滞在中、いくつもの忘れることのない出会いや経験をした。これをどのようにフェースofワンダーの仲間たちに伝え、それを彼らの作品にも生かしていくことができるのか、それがボクの大切な課題である。

　こうした活動を準備して頂いた真木さんにはいくら感謝しても感謝しきれない。

　また、一緒にイタリアまで同行して頂いた山北ともこさんにも心からお礼を伝えたい。

　いまも、お二人はフェースofワンダーの大切な仲間だ。

　これからも一緒に豊かなアートの森を作っていければと願っている。