NEW

フェースofワンダーの世界2022         アートの森のすてきな3日間


 相模原市のユニコムプラザさがみはらで「フェースofワンダーの世界2022 アートの森のすてきな3日間」を実施しました。3日間でのべ900名の方々が観にきてくださいました。

 受付では受付名簿への記入の他に、仲間たちや観に来てくれた子供達に真っ白い本に名前や好きな絵を描いてもらっていたので、行列もできてしまいました。

 

 展示だけではなく、みんなで作るアート展だったので「似顔絵画家に描いてもらおう」のコーナーや「じゅんたんに座ったり、寝転んでもいいんだよ」のコーナー。そして「つながりのアート(工作室)」も賑わいました。

 似顔絵のコーナーでは、似顔絵を描いてもらいたい人が予約をして順番を待つ姿もあり、担当した仲間たちの真剣な姿とお客さんの嬉しそうな姿がとても印象的でした。

 

 マルチスペースと同じフロアにある工作室は「つながりのアート」のコーナーでした。ここにも毎日多くの人たちが参加してくれました。ひたすら色鉛筆を削ってくれる人、雑誌をバラバラにしてみんなに渡してくれる人、好きなキャラクターを描いて切り取ったり、思う存分絵を描いている子。その様子をじっくり見守っている大人たち。ゆったりと時間が流れていました。

 

 初日には市長をはじめ、今回の展覧会にご協力くださった市の担当者の方々や、地域紙や新聞の記者の方々も来てくださいました。

 

 たくさんの笑顔が生まれ、たくさんの出会いが生まれました。

 

 

 

仲間たちと作品たちに想うこと

フェースofワンダーの仲間たちは、まっすぐに絵に向かう

寄り道をしたり、迷ったりすることはない

確信を持った彼らの線や色彩は、いつもぼくを圧倒する

ぼくの中の既成の価値観や美は解体される

ぼくを縛っていた社会的な常識やコンプレックスは、砂糖菓子のように溶けていく

 

そう、これが生きていることなんだ

ただいっしょにここにいる

あるがままの受容

その単純なよろこび

この線に

この色彩に

出会うためにここまで歩いてきたんだという安堵

仲間たちの絵はいつもそんな風にぼくを勇気づけてくれる

 

そんな表現を求めて

ぼくは仲間たちと、もう30年も一緒に描き続けている

ときに、つまずいたり、なげだしたり、やぶりすてたり

まるで二人三脚の旅のように絵を描き続けている

小学生だった子が中年になり、

ぼくも年をとった

でも、そこに疲れはない

小さな歩幅で、

ともに歩いてきた人生の大切な友のような実感があるだけだ

 

そんな風にして

彼らとぼくは足下の土を耕し、小さな絵を残してきたのだ

 

今回、展示した作品たちはそんな草や木のような存在だ

彼らはこれからも生き続けるだろう

あるがままの彼らの生の道をたどり

やがてアートの森のようになるかもしれない

 

そんな作品たちの行く末を想像するのも

ぼくの密やかな楽しみである

 

202252  

フェースofワンダー     金子光史


会場の様子 似顔絵コーナーや 絨毯とテント